コラム 第105号 - 70年ぶりに「国内感染」が確認されたと報じられたデング熱について

70年ぶりの「国内感染」が確認されたと報じられてから、ニュースや情報番組でデング熱のことをよく聞くようになりました。海外ではデング熱の患者数が増加傾向なのだそうです。デング熱とはどのような感染症なのでしょうか?しっかりお勉強しましょう!
☆デング熱に関する基礎知識のまとめ
・デング熱の特徴
デング熱はヒトからヒトには感染しない
ヒト(患者)-蚊-ヒトという経路で蚊によって媒介される、デングウイルスというウイルス感染をする
潜伏期間は2~15日(通常2~7日)
症状には、38~40℃の発熱、激しい頭痛、関節炎、筋肉痛、発疹が症状としてみられ、2種類ある
 1非致死性の熱性疾患であるデング熱(感染3~7日後、突然の発熱で始まり、頭痛特に眼窩痛・筋肉痛・関節痛を伴うことが多い。発症後、3~4日後より発疹が全身にひろがる)
 2重症型のデング熱(発熱が終わり平熱に戻りかけた時、血漿漏出に伴うショックと出血を示し重篤化する)
現在、デング熱には特異的な治療法がなくワクチンもない
・蚊の種類
ネッタイシマカとヒトスジシマカにより感染する
ネッタイシマカは日本に常在していない
日本ではヒトスジシマカを介して感染する可能性がある
・ヒトスジシマカについて
ヒトスジシマカは日中・屋外で活動する
活動範囲は50~100メートル程度
国内の活動時期は概ね5月中旬~10月下旬頃までで、日本では成虫のまま越冬できない
・虫刺されを防ぐ対策
日中のヤブや木陰といった蚊が多い場所むやみに近づかない
戸外に出るときは肌の露出をできるだけ避け、長袖・長ズボンを着用する
虫刺され防止薬を適切に使用する
網戸やエアコンを使用する
渡航の際は設備が整った(網戸の設置や必要な清掃が行われている等)宿泊施設を利用する
・蚊の繁殖や工夫
蚊の繁殖を防ぐため、雨水タンクに蓋をしたり、タイヤに溜まった水・ペット用の水・鉢植えの皿の水を放置しない
室内の花瓶の水などは最低週1回は交換する

デングウイルスを媒介するシマカは越冬しないそうですが、10月下旬までは活動するそうです。シマカの活動範囲は狭いですが、まさか自分の近くでは感染しないだろうと考えずに、蚊が繁殖する環境を絶ち、蚊に刺されないこと、しっかり対策をしましょうね。



※当コラムの内容は、以下のページより引用しています

知っておきたいデング熱の基礎知識
東京都感染症情報センター