コラム 第125号 - 気になるインフルエンザとインフルエンザワクチンについて

毎年とても気になるのがインフルエンザの流行予測。すでに予防接種を済ませたよ、という方もいらっしゃいます。インフルエンザの検査も症状もつらいので、感染したくないですよね。インフルエンザの予防接種についてお勉強します。

☆現在のインフルエンザの発生と、供給されているワクチンの状況について
・平成26年5月14日今季のインフルエンザ HAワクチン製造株が次のように決定され、下記のワクチンが供給されている
【A型株】
A /カリフォルニア /7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
A/ニューヨーク/39/2012(X-233A)(H3N2)
【B型株】
B /マサチュセッツ /2/2012(BX-51B)(山形系統)

・ インフルエンザ患者発生状況ーー第42週(10月13日~19日)
【全国】
患者報告数は213人
37週(9月8日~14日)に今シーズンはじめて学級閉鎖の報告が1件、その後は毎週 1~2件の学級閉鎖の報告が続いている
【東京都】
患者報告数は30人

☆受ける? 受けない? インフルエンザの予防接種について医師の説明
・流行するインフルエンザとは?
インフルエンザのウイルスには、A型・B型・C型の3種類が存在するが、ほとんど「A型」が流行する
「インフルエンザA型」
インフルエンザの約6割をインフルエンザA型のウイルスは、最も流行性の高い
世界規模の大流行の場合は、A型であるケースが大半を占める
理由は、非常に変異しやすく、高い流行性を持つため
症状は3種類の中で最も重い傾向にある
小児の場合、インフルエンザ脳症という重症の疾患に至るケースも確認されている
代表的なものにロシアかぜ(H1N1)、香港かぜ(H3N2)、鳥インフルエンザ(H5N1)などがある

「インフルエンザB型」
流行性がやや高い(A型ほど高くはない)
理由はウイルスが変異しにくいため
症状はA型より軽い事が多い

「インフルエンザC型」
流行性は低い
小さい子供が感染するケースがあり、呼吸器感染症を引き起こす事がある軽症の場合、感染しても症状が現れない(鼻かぜ程度で済むこともある)
季節によらず5歳以下の小児に感染し、免疫は長期間に亘って持続し、一度かかると一生持続する場合が多い

・予防接種の種類について
予防接種には大きく分けて「生ワクチン」と「不活化ワクチン」がある
インフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」にあたる
「不活化ワクチン」
細菌やウイルスを殺して毒性をなくし、免疫をつけるのに必要な成分を取り出したワクチン
体内で細菌やウイルスは増殖しないため、十分な免疫をつけるために複数回の接種が必要な場合が多い
1回の接種では、免疫が充分にはできないために、ワクチンによって決められた回数の接種が必要
「生ワクチン」
生きた細菌やウイルスの毒性を弱めたものを接種して、その病気にかかった場合と同じように免疫をつけようとするもの
弱毒化した細菌やウイルスが体内で増殖する事で、身体の免疫を高めていく
接種の回数が少なく、1回の接種でも充分な免疫を作ることができる
ただし、十分な免疫ができるまでには約1か月ほどの時間がかかる

・ワクチン接種後に効果が出るのはいつ?
接種後2週間ほどでインフルエンザワクチンの抗体産生(免疫)がピークになり、効果が出るのは2週間後
その後3か月~5か月間は体の中に抗体が存在し、インフルエンザに感染しにくい状態が維持される

・新型ウイルスが流行したら再接種が必要?
インフルエンザウイルスは色々な型に変異しやすい、ウイルスの突然変異が起こると、接種したワクチンの効果が低下する可能性がある
新しい変異ウイルスが大流行した場合に限っては、それに対応したワクチンを再度接種し直す必要性が出てきます
近年は、予測技術が高まっており、実際の流行とはほぼ一致していることが多い

・予防接種をするべき人とは?
「1歳以上~6歳未満の幼児の場合」
ワクチンを接種すると約20~30%の発病を阻止する効果があるという研究結果があります。また小さいお子様は、免疫がつきにくいため、2回接種(1回接種後1か月あけてもう一度接種) をお勧めします。

「1歳未満の乳児の場合」
この場合ワクチンの効果は確認されておらず、生後6ヶ月未満の場合は、ふつう接種しません。 ワクチンの効果や副反応がはっきりしていないこと、母親からの免疫が期待できると考えられるからです。

「高齢者の場合」
高齢者のかたがインフルエンザに感染すると、その後肺炎になったりと重症化するケースがありますので、ワクチン接種をお勧めします。この場合は1回接種で問題ありません。

「妊娠中の場合」
インフルエンザワクチンは病原性をなくした不活化ワクチンで、 胎児に影響を与えるとは考えられていません。 また、妊婦は接種不適当者には含まれません。 ワクチンを接種される場合は、主治医にご相談ください。妊娠中でも安心してお受けいただける、防腐剤の含まれていないワクチンもございます。

私の周辺ではインフルエンザの発生のことは聞きませんが、全国ではもう学級閉鎖をしたところもあるのですね。そして学級閉鎖が毎週つづいているとのこと、少しずつ感染者が増えているようですね。
医療従事者や人混みに出る機会が多い方は、予防接種をする事をおすすめられています。また、小さなお子さまや高齢者のいる家族の方はインフルエンザワクチンの予防接種をする人が多いようですね。ワクチンの効果が現れるのは、予防接種の2週間後です。体調を整えて、インフルエンザの流行に備えたいですね。



※当コラムの内容は、以下のページより引用しています

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東京都 インフルエンザ情報